有床診療所って、どんなところ?

「入院できるクリニック」だけではありません。
外来で診る。必要なときには14床で受け止める。退院後は再び地域へ。
必要なら訪問診療でその後の暮らしを支える。
私たちは、外来・入院・訪問診療をつなぐ有床診療所です。

医療機関ごとの役割の違い

比較項目当院(14床・有床診療所)一般的な病院無床クリニック訪問診療専門クリニック
入院機能14床ありなし原則なし
主な役割外来・入院・在宅高度急性期・専門治療外来診療中心訪問診療のみ
患者さんとの距離顔と名前がわかる距離感症例数多・慌ただしい診察時のみご自宅でのケア中心
夜勤・働き方14床のため負担少なめ夜勤頻度高・突発対応多夜勤なしオンコール体制あり

「14床で、何をしているの?」

当院の14床は、単に病気を治すためだけのベッドではありません。
多様なニーズに応えるフレキシブルな役割を持っています。

  • 軽症・一時的な治療
  • レスパイト(介護家族・施設職員の負担軽減)
  • 病院から在宅への橋渡し
  • 嚥下機能評価(VE検査・食事観察)
  • PSG検査(睡眠時無呼吸症候群)
  • 緩和ケア・アットホームな看取り

実際の事例(CASE)で知る、14床の意義

CASE 01|「ある朝、介護する人がいなくなった。」

ケアマネジャーから朝一番に相談がありました。
自宅で要介護の夫を介護していた妻が骨折し、手術のため入院することに。突然、夫を介護する人がいなくなりました。
当院だけで解決したわけではありません。ケアマネジャー、訪問看護、介護タクシーなど地域の関係者がそれぞれ動き、当院は「入院できる場所」という役割を担いました。その日のうちに夫を受け入れ、妻が治療とリハビリを終えるまでの約2週間を支えました。
一つの医療機関ですべてを解決するのではなく、地域の人たちがつながる。その中に14床がある。
私たちが考える「地域医療のハブ」を象徴する事例の一つです。

CASE 02|「検査だけでは分からない『食べる力』。」

嚥下機能は、一度の検査だけですべてが分かるとは限りません。
朝は食べにくくても昼にはしっかり食べられる方や、検査日の体調によって結果が変わることもあります。また、ご家族の「できるだけ食べてほしい」という思いと、施設が求める安全性との間で判断が難しいことも。
当院ではVE検査に加え、入院中の食事を看護師や看護補助者が継続して観察します。「安全に食べる」と「その人らしく食べる」の両方に寄り添い、その方に合った食形態を考えます。

CASE 03|「悪くなってから、ではなく。その一歩手前で。」

夜間の介護職員が1~2名という施設では、入居者さん一人の状態が悪化すると、救急対応や付き添いによって現場の負担が一気に大きくなることがあります。当院では「もう少し様子を見てから」ではなく、状態悪化が予想される段階で一時的に入院を受け入れることがあります。患者さんを早めに受け止めることで、施設の夜間の安心につなげ、そこで働く介護職員の負担も支える。14床は、地域で介護を担う人たちのレスパイトにもつながっています。

私たちが目指す、地域医療のハブ。

私たちだけで、地域医療はできません。
病院、訪問看護、ケアマネジャー、介護施設、介護事業所、そしてご家族。
私たちが担うのは、外来・14床・訪問診療という機能です。
必要な時に患者さんを受け止め、次の場所へつなぐ。
それぞれが自分たちの役割を担い、つながる。
地域にあるさまざまな医療・介護・暮らしをつなぐ「ハブ」の一つでありたい。
私たちは、そう考えています。

看護師として働く
病棟・外来・訪問診療を通して、患者さんの暮らしを支えます。

地域医療連携室で働く
地域の医療・介護機関と診療所をつなぎ、相談を受け入れにつなげます。

有床診療所について、よくある質問

有床診療所とは、19床以下の入院設備を持つ診療所です。当院は14床の病床を備え、外来・入院・訪問診療を行っています。
大きな病院とは異なり、患者さんが体調を崩したときの入院から、退院後の在宅療養まで、地域の中で継続して関わることができるのが特徴です。
当院では、病院や訪問看護、ケアマネジャー、介護施設などと連携しながら、地域の医療・介護・暮らしをつなぐ役割を担っています。

病院では病棟や外来など、配属された部門で専門的に経験を積む働き方が一般的です。
当院では、看護師が病棟・外来・訪問診療という3つのフィールドに関わります。入院中の患者さんだけでなく、外来で通院しているときや、自宅・施設で療養しているときの様子まで知る機会があります。
一人の患者さんを「入院中の患者さん」としてだけでなく、地域で暮らす一人の生活者として見ることができるのが、当院で働く特徴の一つです。

当院の14床では、脱水や軽い肺炎などで点滴や経過観察が必要な方、食事がとれなくなった方、嚥下機能の評価が必要な方、在宅療養中に一時的な入院が必要になった方などを受け入れています。
また、介護するご家族や施設職員の負担を軽減するためのレスパイト入院や、退院後すぐに自宅へ戻ることが難しい方の一時的な受け入れなど、地域の状況に応じた入院にも対応しています。
大きな病院での急性期治療とは異なり、「地域での暮らしに戻るための14床」という役割も担っています。

当院では、病棟・外来・訪問診療を通して、患者さんの療養生活をさまざまな場面から見ることができます。
病棟で状態を観察し、退院後は訪問診療でその方の暮らしを知る。あるいは、在宅療養中の変化から入院につながり、状態が整えば再び地域へ戻っていく。そうした一連の流れに関わる機会があります。
病院で培った看護経験を活かしながら、在宅医療や地域医療へ視野を広げ、「病気だけでなく、その人の暮らしを見る看護」を経験できる環境です。

病院やケアマネジャー、訪問看護、介護施設などから寄せられる相談を受け、患者さんの受け入れにつなげる役割を担います。
患者さんの病状や医療処置、生活状況、ご家族の希望などを確認・整理し、医師・看護師・SWと共有しながら、入院や在宅療養に向けた調整を行います。
また、地域の医療・介護関係者を訪問し、当院で対応できる医療や入院機能を知っていただくことも大切な仕事です。

当院では14床の病床と外来・訪問診療を一つの診療所で担っているため、入院だけでなく、その後の在宅療養まで見据えて調整できることが特徴です。
地域医療連携室のスタッフは、相談を受けるだけでなく、必要な医療情報を集め、院内の医師・看護師・SWと相談しながら、できるだけ早く受け入れにつなげていきます。
また、病院やケアマネジャー、訪問看護、介護施設などへ自ら足を運び、地域との関係をつくることも重要な役割です。